堪え難いほどの痛みに
酔いしれてごらんなさい。


そこには
ほら、甘美なる苦しみがあるから。


吐き気かする程の苦しみに
酔いしれてごらんなさい。


そこには
ほら、甘美なる痛みがあるから。


『より強い苦しみを』

『より強い痛みを』


甘い誘惑に身を委ねて
沈んでおいきなさい。

温かい風が吹き抜けて


『染まってはいけない』


誰かが呟いた。


だから僕は


冷たい風に身を任せ


下を向いて歩く。



喩えそれが間違いだとしても


今更、変えられるはずもなく……

綺麗。

キレイ。


貴女は、綺麗。


傷ついてるの、知ってるよ。


苦しんでるの、知ってるよ。


それでも笑う、貴女は綺麗。


もっと、汚してしまいたくなる。

もっと、いっそ、ぐちゃぐちゃに。


僕の此の手で壊してあげる。


だから、ほら。


近くにおいで??


指先から抜けていくように
記憶が
蒼白の砂となって落ちた。



覚えていなければならない人
決して忘れてはならないモノ


全てが
零れ落ちてしまった。


こうして僕は
彷徨い児となったんだ。

嗚呼……

月が綺麗。

呼吸も止まるわ。

吸い込まれてしまいそう。

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